ホットクックを使いなれてくると、レシピを見ずに自分のオリジナルレシピを作る方も多いかと思います。そこで味付けする際の考え方をお伝えします。
重要なのは食材の総重量と、使う調味料の塩分濃度の2つです。
詳しく解説していきます。
料理の塩分%を設定する
美味しく感じる塩分濃度は一般的に0.8~0.9%と言われています。
作る料理の種類にも当然よりますが。
私はホットクックで、0.5〜0.9%の間で調理することが多いです。
使う調味料を決め、塩分%の計算をする
ここは計算の仕方は書きますが、それぞれの調味料の塩分濃度を記しておくので、そちらを参考にしてください
食塩相当量 ÷ 調味料の重量= 塩分濃度(%)
【例】醤油の場合(分量は小さじ1)
1(食塩相当量)÷6(調味料の重量)=0.16(塩分濃度)→16%下記が、調味料の塩分%です。
⚫︎塩(塩分99%)
小さじ1= 塩分5g(重さ5g)
大さじ1= 塩分15g(重さ15g)⚫︎醤油(塩分16%)
小さじ1= 塩1g (重さ6g)
大さじ1= 塩3g (重さ18g)⚫︎味噌(塩分12%)
小さじ1= 塩0.7g(重さ6g)
大さじ1= 塩2.0g(重さ18g)⚫︎鶏ガラ顆粒(塩分48%)
⚫︎コンソメ顆粒(塩分47%)
⚫︎ナンプラー(塩分23%)
⚫︎オイスターソース(塩分12%)
⚫︎ウスターソース(塩分9%)
⚫︎中濃ソース(塩分6%)
⚫︎ケチャップ(塩分3.5%)
⚫︎マヨネーズ(塩分2%)
⚫︎豆板醤(塩分18%)
⚫︎ポン酢(塩分10%)
⚫︎めんつゆ2倍濃縮(塩分6.5%)
⚫︎めんつゆ3倍濃縮(塩分10%)
栄養と料理2021年1月号より引用
設定した塩分%×100÷使う調味料の塩分%=調理する際の塩分%
【例】
⚫︎塩を入れる場合
0.8%×100÷99(塩の塩分%)=0.8%
⚫︎醤油を入れる場合
0.8%×100÷16(しょうゆの塩分%)=5.0%
⚫︎味噌を入れる場合
0.8%×100÷12(味噌の塩分%)=6.6%
下記が早見表です。
⚫︎塩(塩分99%)
0.9%=0.9%
0.8%=0.8%
0.7%=0.7%
0.6%=0.6%
0.5%=0.5%
⚫︎醤油(塩分16%)
0.9%=5.6%
0.8%=5.0%
0.7%=4.3%
0.6%=3.7%
0.5%=3.1%
⚫︎味噌(塩分12%)
0.9%=7.5%
0.8%=6.6%
0.7%=5.8%
0.6%=50%
0.5%=4.1%
⚫︎鶏ガラ顆粒(塩分48%)
0.9%=1.8%
0.8%=1.6%
0.7%=1.4%
0.6%=1.2%
0.5%=1.0%
⚫︎コンソメ顆粒(塩分47%)
0.9%=1.9%
0.8%=1.7%
0.7%=1.5%
0.6%=1.3%
0.5%=1.1%
⚫︎ナンプラー(塩分23%)
0.9%=3.9%
0.8%=3.4%
0.7%=3.0%
0.6%=2.6%
0.5%=2.1%
⚫︎オイスターソース(塩分12%)
0.9%=7.5%
0.8%=6.6%
0.7%=5.8%
0.6%=5.0%
0.5%=4.1%
⚫︎ウスターソース(塩分9%)
0.9%=10%
0.8%=8.8%
0.7%=7.7%
0.6%=6.6%
0.5%=5.5%
⚫︎中濃ソース(塩分6%)
0.9%=15.0%
0.8%=13.3%
0.7%=11.6%
0.6%=10.0%
0.5%=8.3%
⚫︎ケチャップ(塩分3.5%)
0.9%=25.7%
0.8%=22.8%
0.7%=20.0%
0.6%=17.1%
0.5%=14.2%
⚫︎マヨネーズ(塩分2%)
0.9%=45%
0.8%=40%
0.7%=35%
0.6%=30%
0.5%=25%
⚫︎豆板醤(塩分18%)
0.9%=5.0%
0.8%=4.4%
0.7%=3.8%
0.6%=3.3%
0.5%=2.7%
⚫︎ポン酢(塩分10%)
0.9%=9%
0.8%=8%
0.7%=7%
0.6%=6%
0.5%=5%
⚫︎めんつゆ2倍濃縮(塩分6.5%)
0.9%=13.8%
0.8%=12.3%
0.7%=10.7%
0.6%=9.2%
0.5%=7.6%
⚫︎めんつゆ3倍濃縮(塩分10%)
0.9%=9%
0.8%=8%
0.7%=7%
0.6%=6%
0.5%=5%
料理で使う調味料の量を計算する
(食材の総重量)×(使う調味料の塩分%)=料理で使う調味料の量
【例】
食材の総重量が1000g、塩分%は0.8%、使う調味料は醤油
先ほどの早見表より、醤油の0.8%は5%
よって、1000×0.05=50g →50gの醤油
食材(野菜、キノコなど肉以外のもの)の説明
★がオススメ食材
★玉ねぎ
水分量が多く、煮ると大量の水が出るので無水料理におすすめ
潰れて水分が出ても甘味になり、おいしい
★セロリ
水分量が多く、無水料理におすすめ
加熱することで癖のある香りが、おいしい香りに変化する
切り方により、食感も残るので使いやすい
★トマト
赤色
水分量が多く、無水料理におすすめ
切り方により出る水分量を調節でき使いやすい
潰れて水分が出ても、うまみになりおいしい
★にんじん
オレンジ色
色味が使いやすく、味染みも良く、切り方により食感も変えられ汎用性が高い
★じゃがいも
煮物では味が染み込みやすく、品種、切り方により様々な食感にできる
蒸すことで、潰してポテサラ、フープロでマッシュにすればクリームポテトポトフ、肉じゃがの具材にもなり優秀
★さつまいも
蒸し芋は、楽に作れておいしく1品用意できます
●大根
味がしみこみやすく、切り方により食感も変えられる
●ごぼう
潰れることがなく、香りも残り、食感も残る
●れんこん
切り方により、食感が変わり汎用性が高い
●かぼちゃ
蒸しかぼちゃ、煮かぼちゃも楽に作れて絶品
●長芋
味が染み込みやすく、粘りが出ておいしい
フープロにかけて、マッシュにしてもおいしい
●ピーマン
緑色
崩れやすいため加熱時間に注意
●パプリカ
赤、黄色
黄色野菜があまりないので、あると映えます
厚めに切れば食感も残ります
●なす
紫色
過加熱、切り方により崩れやすい
●ほうれん草、小松菜、青梗菜など
緑色
過加熱でクタクタになるため、後入れがおすすめ
●インゲン、きぬさや、スナップえんどうなど
緑色
過加熱で緑色が薄れるため、後入れがおすすめ
その他
★キノコ全般
どの種類のキノコも食感が残り、切り方により食感も変えやすい
香りもよく、水分が出てもうまみになる、すべての料理に使え、非常に優秀
●豆腐
食感がほかの材料と被らずアクセントになる
絹のほうが崩れやすく、木綿のほうが崩れにくい
食材(野菜、キノコなど肉以外のもの)の切り方
・小さく切る
水分が出やすい、形が崩れやすい
・大きく切る
水分が出にくい、形が崩れにくい
・水分を出したいなら、崩れてもいいなら小さく切る
・水分を出したくないなら、形を残したいなら大きめに切る
食材(野菜、キノコなど肉以外のもの)を入れる順番、タイミング
・鍋底に近いほど、材料を入れる順番が早いほど、火が入りやすく水分は出やすい
・鍋底に遠いほど、材料を入れる順番が遅いほど、火が入りにくく水分は出にくい
食材(肉)の説明
肉の種類
・脂肪分が多く、厚さがある肉は美味しくなる(豚バラブロック、手羽先、手羽元、鶏もも肉、牛すじなど)
・脂肪分が少ない、薄切り肉は、過加熱で硬くなり美味しくなくなる(鶏むね肉、鶏ささみ、豚肉の薄切り、牛肉の薄切りなど)
肉を入れる順番、タイミング
・脂肪分が多く、厚さがある肉→調理開始から入れても、鍋底に近くても大丈夫
・脂肪分が少ない、薄切り肉→調理終了後に入れる、入れる順番を遅くして、過加熱を防ぐ
総括
このように具材の切り方一つで出来上がりの食感、水分量が変わったり、自動調理鍋を使うからこそ考えなけらば行けない要素を簡単にまとめてみました。
個人的な感想ですが、材料を入れて後はスイッチを押すだけで完成するため、どんな順番でどんな切り方でなど色々試行錯誤しながらレシピを構築するのもホットクック調理の醍醐味かもしれません。
そしてその経験は、ホットクックを使わないフライパンや鍋の調理にも必ず活きてくると思います。
これからもホットクック調理をロジカルに説明できるように努力していきます!
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